E-E-A-Tは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)を表す考え方です。Googleは、このうち信頼が最も重要で、ほかの要素は信頼へ貢献すると説明しています。
ただし、E-E-A-Tは入力すれば順位が上がる点数や、一つのタグではありません。品質評価ガイドラインも検索順位へ直接点数を加えるものではありません。中小企業が行うべきことは、経験・専門性・第三者からの評価・責任体制を、利用者が確認できる具体的な証拠としてサイトへ掲載することです。
E-E-A-Tを「証拠」で考える
| 要素 | 意味 | サイト上の証拠例 |
|---|---|---|
| 経験 | 実際に行った・使った・訪れた経験 | 工程写真、事例、失敗と改善、実測データ |
| 専門性 | 正確に判断・説明できる知識 | 著者経歴、資格、詳しい解説、監修 |
| 権威性 | その分野で認められている状態 | 第三者言及、業界活動、受賞、引用、所属 |
| 信頼性 | 情報・会社・取引を安心して確認できる | 法人情報、出典、料金条件、連絡先、訂正、セキュリティ |
すべてのページが四要素を同じ強さで示す必要はありません。ページの目的とリスクに合う証拠を用意します。

1. 会社の実在性と責任主体を明確にする
- 正式な法人名
- 所在地
- 代表者
- 電話・問い合わせ窓口
- 法人番号など適切な公的情報
- 事業内容
- 利用規約・プライバシーポリシー
- 契約・請求の主体
サイト名と請求会社が異なる場合は関係を説明します。連絡先をフォームだけにせず、会社情報へたどり着けるようにします。
2. 著者と監修者を表示する
記事へ正確な署名を付け、著者ページへつなぎます。
- 氏名
- 所属・役割
- 担当分野
- 実務経験
- 資格・研修
- 執筆・監修した記事
- 利益相反
経歴を誇張せず、テーマとの関係を説明します。AI生成の架空人物や無関係な有名人を著者・監修者にしません。
3. 実務経験を過程で見せる
「経験豊富」と書くだけでなく、仕事の過程を公開します。
- 調査した内容
- 顧客の課題
- 制約条件
- 選択肢
- 採用した判断
- 実施工程
- 確認方法
- 結果
- 公開後の改善
完成品だけでなく、なぜその方法を選んだかを書くと経験が伝わります。
4. 制作事例を具体化する
事例には次を含めます。
- 顧客の業種・対象顧客
- 制作前の課題
- 自社の担当範囲
- 制作期間
- 施策
- 顧客側の取り組み
- 成果の計測条件
- 掲載許可
成果数字は期間・母数・測定方法を示し、自社施策だけが原因だと安易に断定しません。顧客名を出せない場合も、特定されない範囲で判断過程を説明できます。
5. 一次情報を増やす
- 自社調査
- 実測値
- 顧客質問の集計
- 独自チェックリスト
- 現場写真
- 操作・検証結果
- 地域・業種の経験
データには対象、期間、収集方法、限界を書きます。サンプルが少ない結果を一般化しません。
6. 専門情報へ一次出典を付ける
法令、制度、セキュリティ、製品仕様、統計は、所管官庁、公的機関、製品公式文書、原著論文などを確認します。
出典をページ末尾へ並べるだけでなく、どの主張を支えるか分かる位置に置きます。引用の範囲を守り、自社の意見と分けます。
7. 公開日・更新日・訂正履歴を管理する
- 初回公開日
- 最終更新日
- 更新した内容
- 確認責任者
- 次回確認日
- 訂正窓口
日付だけを書き換えず、本文、リンク、仕様、料金、画像を実際に確認します。重大な誤りは訂正内容を明示します。
8. サービス内容と料金条件を透明にする
- 対象顧客
- 対応範囲
- 含まれる作業
- 含まれない作業
- 費用の決まり方
- 追加費用
- 契約期間
- 解約・返金
- 納期条件
- 公開後の支援
価格を公開できない場合も、見積もり要因と手順を説明できます。「無料」「最短」「必ず」には条件を付けます。
9. 顧客の声を検証可能な形で扱う
顧客の許可を得て、可能な範囲で次を示します。
- 顧客・業種
- 依頼内容
- 回答者の役割
- 実施時期
- 自社との関係
文章を都合よく変更せず、特典と引き換えの高評価や、社員・AIによる架空口コミを使いません。
10. 第三者評価を正確に示す
- 業界団体への所属
- 資格
- 受賞
- メディア掲載
- 登壇・寄稿
- 公的認定
- 取引・連携実績
ロゴ利用条件、認定期間、受賞対象を確認します。応募すれば取得できる掲載枠を客観的な受賞のように見せません。
11. 安全性と運用体制を示す
信頼は文章だけではなく運用にも関係します。
- HTTPS
- フォームの個人情報取り扱い
- 必要最小限の収集項目
- 権限管理
- バックアップ
- 更新・脆弱性対応
- 障害時の連絡
- 外部委託先の管理
実施していない対策を表記せず、公開できる範囲で方針を説明します。
12. 問い合わせ後の流れを明確にする
- 返信までの目安
- 初回相談の方法
- 見積もりまでに必要な情報
- 契約前の確認
- 担当者
- 営業連絡の扱い
送信後に何が起きるか分かると、相談の不安が減ります。
13. サイト全体で情報を一致させる
会社名、住所、電話、代表者、サービス、料金、担当者が、トップ、会社情報、記事、構造化データ、Googleビジネスプロフィールなどで食い違わないようにします。
移転、社名変更、担当者変更、サービス終了時は関連ページをまとめて更新します。
14. 高リスク分野は専門監修を強化する
健康、金融、安全、法的権利など生活へ大きな影響を与えるテーマでは、特に正確性と信頼が重要です。
- 有資格者・専門家の監修
- 現行法令・公式情報の確認
- 一般情報と個別助言の区別
- 緊急窓口の案内
- 更新頻度
- 利益相反
専門外の内容を集客目的で断定しません。
15. AIを使った制作方法も必要に応じて説明する
生成AIを調査・構成・校正に使用した場合でも、責任者が事実確認し、一次情報を加え、顧客情報を保護します。
レビューや調査など、作成方法が信頼判断に重要なページでは、対象、方法、確認者を説明します。Googleも、誰が作ったか、どのように作ったか、なぜ作ったかを利用者の観点で考えることを案内しています。
ページ種類別のE-E-A-T
サービスページ
担当者、対象、範囲、料金条件、実績、契約、問い合わせ。
事例ページ
顧客課題、工程、担当範囲、証拠、成果条件、掲載許可。
専門記事
著者・監修者、経験、一次情報、出典、更新日、訂正。
会社情報
法人、所在地、代表者、沿革、事業、連絡先、方針。
採用ページ
実際の仕事内容、条件、職場写真、選考、雇用主体。
よくある誤解
E-E-A-Tはスコアですか?
GoogleはE-E-A-T自体が単一のランキング要因ではないと説明しています。サイト上の具体的な信頼材料を改善するための視点として使います。
著者プロフィールを置けば十分ですか?
十分ではありません。本文の正確性、経験、出典、会社情報、更新、安全性、取引条件などサイト全体で示します。
資格がなければ専門記事を書けませんか?
テーマによります。実務経験が有用な内容もあります。資格や専門助言が必要な分野では適切な専門家へ確認し、経験と専門性を混同しません。
外部リンクが多いほど信頼されますか?
数ではありません。主張に必要な一次資料を選び、自社の一次情報と区別します。
AI生成記事はE-E-A-Tがありませんか?
制作手段だけでは決まりません。誰が責任を持ち、どの経験・根拠を加え、どう確認・更新したかが重要です。架空の著者・事例・出典は使用しません。
90日改善例
1〜30日
- 会社情報・著者・連絡先を整備
- 主要サービスの対象と条件を明確化
- 古い記事と出典を棚卸し
31〜60日
- 事例へ課題・工程・担当範囲を追加
- 重要記事を専門確認
- 一次情報・写真・データを追加
61〜90日
- 料金・契約・運用情報を改善
- 構造化データと表示を一致
- 更新・訂正・監修フローを定着
まとめ
中小企業サイトのE-E-A-Tは、抽象的な「信頼感」の演出ではありません。誰が運営・執筆し、どの経験と専門性を持ち、どんな一次情報・出典・第三者評価があり、どの条件でサービスを提供し、誤りをどう訂正するかを具体的に示すことです。
GoogleはE-E-A-Tの中でも信頼を最も重要と説明しています。著者プロフィールだけで終わらず、会社情報、本文、事例、料金、口コミ、安全性、更新体制を一貫させます。
株式会社サーハビーでは、札幌の企業を中心に、会社・担当者情報、実績、専門記事、一次情報、構造化データ、更新運用を含む信頼設計を支援しています。自社の強みを裏付ける証拠がサイトへ反映できていない場合も、棚卸しからご相談いただけます。
参考情報
- Google Search Central:有用で信頼性の高いユーザー第一のコンテンツ作成
- Google Search Central:E-A-Tに経験が加わった品質評価ガイドライン更新
- Google Search Central:検索品質評価ガイドラインの更新