ホームページ改善で毎月見るべき数字は5つだけ

5枚の指標パネルを月次で確認し、次に実行する1つのホームページ改善を決める日本企業の少人数チーム

GA4やSearch Consoleには多くの指標があります。すべてを月次資料へ並べると、数字の説明だけで会議が終わり、「どのページをどう直すか」が決まりません。

BtoB企業のホームページ改善では、認知、流入、入口の質、検討行動、問い合わせ成果を一続きで確認すれば、最初の判断には十分です。本記事では、毎月見る数字を5つに絞り、数字から改善施策を決める方法を解説します。

毎月見る5つの数字

  1. Google検索の表示回数とクリック数
  2. チャネル別セッション数
  3. 主要ランディングページのエンゲージメント率
  4. 問い合わせ前の検討行動
  5. 問い合わせ完了数とキーイベント率

「5つ」としていますが、最初の項目では表示回数とクリック数を一組として見ます。一方だけでは、検索で見つからないのか、見えていても選ばれないのかを判断できないためです。

5枚の指標パネルを月次で確認し、次に実行する1つのホームページ改善を決める日本企業の少人数チーム

数字を見る前にそろえる条件

期間

  • 当月と前月
  • 当月と前年同月
  • 直近3か月の推移

月の日数や曜日構成、年末年始、年度末、連休、広告期間を考慮します。短期変動が大きいサイトは3か月移動平均も使います。

成果の定義

  • 問い合わせ完了:generate_lead
  • 資料請求完了
  • 見積もり依頼完了
  • 採用応募完了
  • 電話リンククリックなどの補助行動

フォーム開始や送信ボタンのクリックを、正常完了と混同しません。

変更履歴

  • 記事公開・更新
  • タイトル変更
  • 広告開始・停止
  • SNS・メール配信
  • フォーム変更
  • GA4・GTM設定変更
  • サイト障害

数字が変わった理由を判断できるよう、日付と内容を記録します。

1. Google検索の表示回数とクリック数

分かること

Search Consoleの表示回数はGoogle検索でサイトへのリンクが表示された回数、クリック数は検索結果からサイトへ移動された回数です。

読み方

変化 状態 主な確認
表示増・クリック増 検索露出と流入が拡大 貢献ページ、問い合わせ
表示増・クリック横ばい 見えるが選ばれにくい クエリ、CTR、タイトル
表示横ばい・クリック増 選ばれ方が改善 CTR、順位、指名検索
表示減・クリック減 需要・露出・技術面の変化 ページ、クエリ、インデックス

次の行動

  • 表示回数が増えたクエリを確認する
  • 低CTRページのタイトルと内容を確認する
  • 11〜30位付近で伸びているテーマを補強する
  • 指名検索と一般検索を分ける
  • 更新したページの前後を比較する

順位だけではなく、表示とクリックの長期傾向を優先します。

2. チャネル別セッション数

分かること

GA4のトラフィック獲得レポートでは、どの経路から訪問が生まれたかをセッション単位で確認できます。

  • Organic Search
  • Paid Search
  • Organic Social
  • Paid Social
  • Email
  • Referral
  • Direct

読み方

総セッションだけでなく、チャネル別の増減を見ます。メール配信後にEmailが増えたか、ブログ強化後にOrganic Searchが増えたか、広告停止後にPaid Searchが減ったかを変更履歴と照合します。

次の行動

  • UTMの表記揺れを直す
  • 成果率の高い媒体へ予算や制作時間を配分する
  • Directが急増した場合はUTM欠落を調べる
  • Referralの参照元を確認する
  • 流入量だけでなく問い合わせ品質を営業側と照合する

3. 主要ランディングページのエンゲージメント率

分かること

ランディングページは、そのセッションで最初に見られたページです。GA4のエンゲージメント セッションは、10秒を超えて継続した、キーイベントが発生した、または2ページ以上が表示された訪問です。エンゲージメント率は、その割合を示します。

対象ページ

  • トップページ
  • 主要サービスページ
  • 問い合わせにつながるブログ
  • 実績ページ
  • 採用ページ
  • 広告ランディングページ

読み方

低いから直ちに悪いとは限りません。電話番号や営業時間を確認して短時間で離脱するページもあります。ページの目的と合わせて判断します。

次の行動

  • 検索・広告の訴求と冒頭内容を一致させる
  • スマートフォンの読みやすさを直す
  • 次に必要なサービス、事例、料金、問い合わせへのリンクを置く
  • 表示速度やレイアウト崩れを確認する
  • 対象外ユーザーを集めるタイトルを見直す

4. 問い合わせ前の検討行動

問い合わせ完了だけを見ると、件数が少ない月は改善途中の変化を判断できません。見込み客が比較・検討した行動を補助指標にします。

  • サービスページ閲覧
  • 実績・事例ページ閲覧
  • 料金・プランページ閲覧
  • 会社概要・代表紹介閲覧
  • 資料ダウンロード
  • 電話・メールリンククリック
  • 問い合わせフォーム開始:form_start
  • 重要CTAクリック

設計の注意

すべてのクリックを「成果」にしません。問い合わせとの関係が強い行動を3〜5個に絞り、通常イベントとして観察します。

読み方

状態 仮説
サービス閲覧増・フォーム開始増 検討者が増えている
フォーム開始増・完了横ばい 項目やエラーに課題
ブログ閲覧増・サービス閲覧横ばい 内部導線が弱い
事例閲覧増・問い合わせ増 事例が判断を支援

次の行動

  • ブログから関連サービス・事例へつなぐ
  • フォーム項目を見直す
  • よく見られる事例を主要ページへ配置する
  • 料金や進め方など不足情報を追加する

5. 問い合わせ完了数とキーイベント率

分かること

GA4では、事業上重要なイベントをキーイベントとして指定できます。問い合わせ完了には推奨イベントgenerate_leadを使い、正常送信時に1回だけ計測します。

キーイベント数は成果の件数、セッションのキーイベント率は訪問に対して成果が起きた割合を示します。

件数と率を一緒に見る

セッション 問い合わせ
A月 200 4 2.0%
B月 500 6 1.2%

B月は問い合わせ件数が多い一方、訪問あたりの成果率は低下しています。広告などで対象外流入が増えた、フォーム導線が弱くなったなどを調べます。

営業データも重ねる

  • 有効問い合わせ
  • 商談化
  • 見積もり提出
  • 受注
  • 売上・粗利
  • 対象外・営業連絡

問い合わせが増えても対象外ばかりでは、事業成果とは言えません。GA4には個人情報を送らず、CRMや問い合わせ管理で照合します。

5指標を一枚にまとめる

月次表の例です。

指標 当月 前月 前年同月 変化理由 次の行動
検索表示/クリック
チャネル別セッション
主要入口のエンゲージメント率
主要検討行動
問い合わせ数/率

数値の横に必ず「理由の仮説」と「次の行動」を書きます。

ページ単位で貢献を見る

サイト全体の数字だけでは改善対象が決まりません。次のページ群へ分けます。

集客ページ

検索やSNSから最初に訪問されるブログ・LP。

検討ページ

サービス、料金、事例、会社情報。

成果ページ

問い合わせフォーム、資料請求、応募フォーム。

入口ページから検討ページ、成果ページへ移動しているかを確認します。直接問い合わせを生まないブログも、後のサービス閲覧や再訪へ貢献することがあります。

月次会議の進め方

1. 計測の正常性を確認する

  • GA4が急にゼロになっていないか
  • generate_leadが二重発火していないか
  • UTMが意図した値で入っているか
  • テスト送信や社内アクセスの影響はないか

2. 5指標の変化を確認する

前月・前年との大きな差だけを先に見ます。

3. 変化したページへ絞る

全ページを説明せず、伸びたページ、落ちたページ、成果ページを各数件選びます。

4. 営業・採用現場の情報を聞く

  • 問い合わせ内容は変わったか
  • よく聞かれた質問は何か
  • 受注につながったページはあるか
  • 対象外相談が増えていないか

5. 次月の改善を1〜3件決める

  • サービスページへ実績を追加
  • 高表示・低CTR記事のタイトル改善
  • フォーム項目を削減
  • ブログからサービスへの内部リンク追加
  • UTM付きQRコードを配布物別に作成

担当者と期限も決めます。

数字が少ないサイトの見方

BtoBサイトでは月間問い合わせが0〜数件ということもあります。率だけを細かく比較すると、1件の差で大きく変動します。

  • 3〜6か月の累計を見る
  • 件数と率を併記する
  • 検討行動を補助指標にする
  • 問い合わせ内容を定性的に評価する
  • 変更を一度に増やしすぎない

統計的に断定するのではなく、仮説を小さく試します。

毎月見なくてよい数字

目的がなければ、次を月次KPIの中心にする必要はありません。

  • 全イベントの一覧
  • 全ページの表示回数
  • 平均掲載順位のサイト全体値
  • 年齢・性別など利用できない、または判断に不要な属性
  • スクロール回数だけの増減
  • 一回限りの細かな端末・ブラウザ差

異常調査や個別施策では使いますが、定例会議へ毎回並べる必要はありません。

よくある失敗

  • PV増加だけを成功とする
  • 問い合わせ件数だけを見て原因を調べない
  • 前月比だけで季節性を無視する
  • サイト全体平均だけを見る
  • 指標の定義や計測方法を途中で変える
  • 小さな母数の率を断定する
  • 報告資料を作るだけで改善を決めない
  • GA4とSearch Consoleの数字の完全一致を求める
  • 商談化・受注を確認しない

よくある質問

5指標だけで本当に十分ですか

月次の経営・改善判断の入口としては十分です。異常や課題を見つけたときに、クエリ、端末、地域、ページ遷移などへ掘り下げます。

数字は毎日確認した方がよいですか

障害や広告運用は日次・週次、改善判断は月次が基本です。毎日の小さな変動に反応せず、目的に応じて頻度を分けます。

問い合わせがゼロの月は何を見ますか

検索表示、チャネル流入、主要ページのエンゲージメント、サービス・事例閲覧、フォーム開始を確認します。ただし問い合わせ完了と同じ成果として扱いません。

Looker Studioは必要ですか

複数担当者が毎月同じ条件で確認するなら有効です。最初に指標と定義を固めてから、自動更新できる一画面のダッシュボードへまとめます。

まとめ

毎月見る数字は、検索の表示・クリック、チャネル別セッション、入口ページのエンゲージメント、検討行動、問い合わせ数・率の5つに絞ります。大切なのは数字を報告することではなく、変化の理由を考え、次月に実行する改善を決めることです。

株式会社サーハビーでは、札幌のBtoB企業向けに、GA4・GTM・Search Consoleの設定、問い合わせ計測、Looker Studioの月次ダッシュボード、改善会議まで支援しています。数字が多すぎて判断できない場合も、事業目的に必要な指標から整理します。

参考資料

  • Google Analytics ヘルプ「エンゲージメント率と直帰率」
  • Google Analytics ヘルプ「ランディング ページ レポート」
  • Google Analytics ヘルプ「キーイベントについて」
  • Google Search Console ヘルプ「クリック数、表示回数、掲載順位とは」
  • Google Search Console ヘルプ「検索結果のパフォーマンス:一般的なタスク」

お問い合わせ

CONTACT

WEB制作、マーケティング、運用のご相談など、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ