ホームページ制作の納期は、数週間で完成する小規模サイトから、半年以上かかる大規模リニューアルまで幅があります。ページ数だけでなく、目的整理、原稿、写真、社内承認、システム連携、既存データ移行によって期間が変わります。
制作会社へ「いつできますか」と聞くだけでは、現実的な計画は立てられません。工程ごとの目安と、発注企業が準備すべきことを解説します。
納期の一般的な目安
企業サイトの大まかな目安は次のとおりです。

- 1ページの簡易LP:3週間〜2か月
- 5〜10ページ程度の小規模サイト:2〜4か月
- 10〜30ページ程度の企業サイト:3〜6か月
- 大規模リニューアル・多機能サイト:6か月以上
これは標準的な進行例です。原稿・写真が完成済みか、独自機能があるか、承認者が何人いるかで大きく変わります。
工程1:相談・要件整理
制作目的、対象顧客、必要ページ、機能、予算、公開希望日を整理します。現行サイトがある場合は、アクセスデータ、URL、更新課題も確認します。
目安は1〜3週間ですが、経営方針やサービス内容から整理する場合はさらに必要です。
発注側の準備
- 制作目的と優先順位
- 主な顧客と営業方法
- 現行サイトの課題
- 必要機能と外部サービス
- 予算、希望日、社内決裁手順
工程2:調査・サイト設計
顧客質問、検索意図、競合、アクセスデータを調べ、サイトマップと各ページの役割を決めます。問い合わせや採用応募までの導線も設計します。
目安は1〜4週間です。ここを急ぎすぎると、後工程でページ追加や構成変更が発生します。
工程3:原稿作成・取材・撮影
ページ構成に沿って原稿を作り、必要に応じて経営者・社員への取材、設備・現場の撮影を行います。目安は2〜8週間です。
制作会社が書く場合も、事実確認と表現承認は自社に必要です。素材準備はデザインと並行して進めます。
工程4:デザイン
トップページと代表的な下層ページからデザインし、方向性が決まってから全体へ展開します。目安は2〜6週間です。
関係者が個別に修正を伝えると、要望が矛盾して遅れます。社内意見を一つにまとめる窓口を決めます。
工程5:実装・WordPress構築
承認済みデザインをブラウザーで表示できる形にし、スマートフォン対応、WordPress入力機能、フォーム、外部連携を構築します。目安は3〜8週間です。
予約、会員、検索、多言語、CRM連携などがある場合は長くなります。
工程6:原稿・画像登録
完成原稿と写真を各ページへ登録し、見出し、リンク、代替テキスト、タイトル、メタ情報を整えます。目安は1〜4週間です。
旧サイトから多数の記事や実績を移す場合は、自動移行できるものと手作業が必要なものを分けます。
工程7:テスト・修正
端末・ブラウザー、フォーム、表示速度、リンク、SEO設定、アクセシビリティ、管理画面を確認します。目安は1〜3週間です。
リニューアルでは、301リダイレクト、GA4・GTM、Search Console、旧URLとの対応も確認します。
工程8:公開・公開後確認
バックアップを取り、DNSやサーバーを切り替えて公開します。フォーム送信、メール、タグ発火、主要ページを再確認します。
会社メールと同じドメインを使っている場合は、DNS変更でメールを止めない計画が必要です。
遅れやすい原因1:目的と要件が途中で変わる
制作開始後に対象顧客やサービス内容が変わると、構成、原稿、デザインを戻して修正します。変更が必要な場合は、納期・費用・影響範囲を確認してから決定します。
「決まっていること」と「制作中に提案してほしいこと」を最初に分けます。
原因2:原稿と写真がそろわない
サイトの枠が完成しても、素材がなければ公開できません。担当者ごとに締切を設定し、遅れる場合の代替素材と後日差し替え方針を決めます。
社内作成が難しければ、取材・執筆・撮影を早めに外注します。
原因3:社内承認に時間がかかる
経営者、営業、採用、法務などの確認が必要な場合、誰が何をいつ承認するか決めます。すべての段階で全員確認にすると進みません。
構成、デザイン、原稿、公開の承認者を分け、最終決定者を一人にします。
原因4:修正依頼が分散する
メール、チャット、口頭、PDFへ別々に修正を書くと、漏れと重複が生まれます。指定の共有資料へ、ページ、場所、変更内容、理由をまとめます。
社内で意見を統合してから制作会社へ渡します。
原因5:外部サービスの確認不足
予約、採用、決済、CRM、メール、地図などのアカウントや仕様が分からないと連携作業が止まります。契約担当者、ログイン権限、問い合わせ先を事前に確認します。
サービス審査やAPI申請に時間がかかる場合もあります。
原因6:公開環境の情報不足
サーバー、ドメイン、DNS、SSL、メール、WordPressの管理情報が制作会社にしかない、担当者が退職したというケースがあります。
現行環境の調査期間を取り、公開直前ではなく初期段階で権限を確認します。
公開日から逆算する方法
採用開始、展示会、新サービス、会社移転など動かせない日がある場合は、公開後の確認期間を含めて逆算します。
- 必須公開日を決める
- 公開予備日を確保する
- テスト・検収期間を置く
- 実装と登録の完了日を決める
- デザイン・原稿の承認日を決める
- 取材・素材提出日を決める
- 契約・着手日を決める
祝日、繁忙期、担当者の休暇も含めます。
短納期で進める方法
- 公開時の必須ページを絞る
- 既存資料を早く共有する
- テンプレートを活用する
- 原稿と撮影を並行する
- 承認者と返信期限を決める
- 機能を段階的に追加する
- 公開後の改善計画を先に作る
品質確認を省くのではなく、範囲と意思決定を絞ることが重要です。
スケジュール表に入れる項目
- 各工程の開始日・終了日
- 制作会社の作業
- 発注企業の提出物
- 確認・承認期限
- 担当者と最終決定者
- 変更時の影響
- 公開予備日
定例会では、完了した作業より、次の期限と阻害要因を確認します。
まとめ
ホームページ制作の納期は、小規模サイトで2〜4か月、一般的な企業サイトで3〜6か月が一つの目安ですが、原稿、写真、機能、移行、社内承認によって変わります。
遅れを防ぐには、工程ごとの提出物と承認者を決め、構成・原稿・写真を早く準備することが重要です。公開日から逆算し、予備日を含む現実的な計画で進めましょう。