ドメイン移管は、ドメインを管理する登録事業者を別の事業者へ変更する手続きです。ホームページのファイルを移すサーバー移転や、接続先を変えるDNS変更とは別です。
違いを理解せずに制作会社変更と同時に進めると、認証メールを受け取れない、移管が拒否される、会社メールへ影響することがあります。安全に準備する基礎知識を解説します。
ドメイン移管で変わるもの
主に、ドメインの契約・更新を管理する登録事業者が変わります。新しい事業者の管理画面で、更新、登録情報、ネームサーバーなどを管理するようになります。

移管によってホームページの中身や会社メールが自動的に新環境へ移るわけではありません。
変わらないもの
移管中も適切に設定すれば、ドメイン名そのものは変わりません。現在のネームサーバーやDNS設定を維持できれば、サイト・メールも同じ接続先を使い続けられます。
ただし、登録事業者の仕様や同時変更によって影響するため事前確認が必要です。
サーバー移転との違い
- ドメイン移管:契約・登録管理先を変える
- サーバー移転:サイトのファイル・データベースを置く場所を変える
- DNS変更:ドメインが参照するWeb・メールの接続先を変える
制作会社変更で三つすべてが必要な場合もありますが、作業を分けると問題を切り分けやすくなります。
なぜ移管するのか
- 制作会社名義から自社管理へ戻す
- 契約・請求を一元化する
- 管理画面やサポートを変更する
- 制作会社変更に備える
- 不要な管理代行費を整理する
- 事業譲渡・組織変更へ対応する
料金だけでなく、権限と事業継続性を基準にします。
移管前に確認する情報
- ドメイン名
- 現在の登録事業者
- 登録者・契約者名義
- 管理アカウント
- 登録メール
- 更新期限
- ネームサーバー
- DNS全レコード
- 自動更新・支払い状態
- 移管ロック
- 認証コード
- 会社メール管理先
現在の画面と設定を保存します。
認証コードとは
移管を承認するためのコードで、AuthCode、EPP Codeなどと呼ばれます。現在の登録事業者から取得し、新しい事業者へ入力します。
コードを不特定多数へ送らず、移管責任者が安全に管理します。
移管ロックとは
不正な移管を防ぐため、ドメインがロックされている場合があります。正規の移管を行うときは、現在の管理画面で解除する必要があります。
移管完了後は、新しい事業者で再度保護設定を確認します。
登録メールを確認する
移管承認メールが登録者・管理担当のメールへ届く場合があります。退職者、制作会社、使えないアドレスになっていると手続きが止まります。
変更に追加の確認期間が必要なこともあるため、早めに確認します。
移管できない主なケース
- 新規登録・前回移管から一定期間内
- 更新期限が近い・失効している
- 移管ロックが解除されていない
- 認証コードが違う
- 登録情報・承認メールを確認できない
- 紛争・支払い・契約上の制限がある
- ドメイン種類固有の要件を満たさない
条件はドメイン種類と事業者で異なるため、両社の公式手順を確認します。
期限直前を避ける
有効期限直前の移管は、失敗時に更新余裕がなくなります。まず現事業者で更新するほうが安全な場合もあります。
更新後の移管制限や、移管による有効期限延長の扱いも確認します。
DNS設定を保存する
A、AAAA、CNAME、MX、TXTなど全レコードを保存します。Webサイトだけでなく、会社メール、SPF、DKIM、DMARC、Googleや外部サービスの所有権確認が含まれます。
分からないレコードを削除しないようにします。
移管でメールは止まるのか
登録事業者だけを変え、同じネームサーバーとDNS設定を維持できれば、通常は接続先を変えずに進められます。ただし、事業者の仕様や同時作業によっては再設定が必要です。
移管前後に社内外から送受信テストを行い、旧管理環境をすぐ停止しません。
制作会社名義の場合
契約書・見積書で、ドメインの扱い、解約、移管、費用を確認します。旧会社へ、登録情報、認証コード、ロック解除、承認メール対応を期限付きで依頼します。
未払いなど別の問題があれば、移管手続きと分けて整理します。
安全な移管手順
- 契約・名義・期限を確認する
- DNSと管理画面を保存する
- 会社メールへの影響を確認する
- 新しい登録事業者の条件を確認する
- 登録メールを受信できるようにする
- 移管ロックを解除する
- 認証コードを取得する
- 新事業者で申請する
- 承認メールへ対応する
- 完了後に期限・名義・DNS・自動更新を確認する
移管後の確認
- 正しい契約名義
- 管理メール
- 更新期限
- 自動更新・支払い方法
- ネームサーバー
- DNS全レコード
- サイト表示・SSL
- 会社メール送受信
- Search Consoleなどの所有権
- 移管ロック・二要素認証
移管完了通知だけで終わらせません。
移管と同時にサーバーも変える場合
作業が重なるため、先に新サーバーを構築・検証し、DNS切り替えと移管を段階的に行う方法を検討します。
同時に行う必要がある場合は、担当者、時間、切り戻し、旧環境の並行期間を明確にします。
URLやSEOへの影響
ドメイン名とURLが変わらず、サーバーの内容も同じなら、移管自体でページURLは変わりません。ただし、DNS設定ミスやサイト停止が長引くと検索・利用者へ影響します。
移管後はSearch Consoleのクロールや所有権確認を見ます。
費用を確認する
新事業者の移管料金、更新料金、旧会社の作業費、名義変更費を確認します。初年度が安くても、次年度更新やオプション費用が異なる場合があります。
価格だけでなく、サポート、二要素認証、権限管理、請求のしやすさも比較します。
制作会社へ聞く質問
- 現在の登録事業者と契約名義は誰か
- 自社が管理画面へアクセスできるか
- 認証コードを受け取れるか
- 移管ロックを誰が解除するか
- 登録メールを誰が受信するか
- DNSとメール設定を維持できるか
- 作業費と所要日数は何か
- 失敗時の対応と更新期限はどうなるか
移管記録を残す
申請日、承認日、完了日、担当者、旧新事業者、認証方法、DNS確認結果を台帳へ記録します。認証コードは完了後に不要な共有先から削除します。
年1回は契約名義・管理メール・期限を確認します。
まとめ
ドメイン移管は、ドメインを管理する登録事業者を変更する手続きで、サーバー移転やDNS変更とは別です。
契約名義、登録メール、期限、移管ロック、認証コード、DNS・会社メール設定を事前に確認しましょう。作業を段階化し、移管後にサイト・メール・自動更新まで検証すれば、制作会社変更時の停止リスクを減らせます。