新規事業の簡易ホームページ・LPを最短で作る考え方

一枚の紙を切り、折り、説明・根拠・判断・問い合わせなど必要最小限の5機能だけを立体化し、新規事業サイトを素早く検証可能な形へ組み立てるペーパープロトタイプ

新規事業では、完璧なホームページを作ってから顧客を探すのではなく、誰のどの課題にどの提案が届くかを早く確かめる必要があります。一方で、情報を削りすぎたLPでは、何を提供するのか、なぜ信頼できるのか、問い合わせ後に何が起きるのか分からず、検証になりません。

最短で作るとは、制作工程を雑に省くことではありません。検証したい仮説を一つに絞り、その判断に必要なページ、文章、フォーム、計測だけを先に公開することです。本記事では、札幌・北海道のBtoB新規事業を想定し、簡易ホームページとLPの設計方法を解説します。

最初に検証することを決める

仮説の例

  • 札幌の建設会社にこの課題があるか
  • 月額サービスとして相談されるか
  • 無料診断が商談の入口になるか
  • 既存顧客以外から問い合わせが来るか
  • この価格帯で比較対象に入るか

一つのページで、顧客、課題、提案、価格、販売方法をすべて同時に検証すると、反応がない理由を特定できません。

一枚の紙を切り、折り、説明・根拠・判断・問い合わせなど必要最小限の5機能だけを立体化し、新規事業サイトを素早く検証可能な形へ組み立てるペーパープロトタイプ

誰のどの状況を対象にするか

「中小企業向け」「DXに悩む企業向け」では広すぎます。

絞り込みの軸

  • 業種
  • 会社規模
  • 担当者
  • 地域
  • 現在の方法
  • 困っている場面
  • 導入時期
  • 予算・決裁

例:

札幌市内で複数の現場を管理し、写真報告をメールと表計算で集約している建設会社の工事責任者

具体的な対象を決めると、見出し、事例、CTAが決まります。

簡易ホームページとLPの違い

LPが向く場合

  • 一つの商品・提案を検証
  • 広告やメールの着地先
  • 期間限定の募集
  • 一つのCTAへ集中

簡易ホームページが向く場合

  • 会社・運営主体の説明が必要
  • 複数サービスがある
  • 採用・会社情報も必要
  • 検索から継続的に見つけてほしい
  • 今後ページを増やす

BtoBでは、LPだけでも会社概要、運営者、問い合わせ先、プライバシーポリシーなどの信頼情報が必要です。別ページで補っても構いません。

最小構成

1ページLP

  1. 誰のどの課題を解決するか
  2. 提供内容
  3. 仕組み・進め方
  4. 選ばれる根拠
  5. 料金・条件
  6. よくある質問
  7. 相談・申込み
  8. 運営者情報

5ページの簡易サイト

  • トップ
  • サービス
  • 導入の流れ・料金
  • 会社概要
  • お問い合わせ・プライバシーポリシー

記事や事例は、公開後に顧客の質問を基に追加します。

最初の画面

必要な要素

  • 対象者
  • 課題
  • 提供物
  • 地域・条件
  • 次の行動

悪い例:

ビジネスの未来を変える革新的なソリューション

良い例:

札幌の複数現場を管理する建設会社向けに、写真報告の回収・整理・共有を一本化します

新規事業名を覚えてもらう前に、何のためのサービスかを理解してもらいます。

顧客課題

課題は想像だけで書かず、顧客インタビュー、営業記録、実際の業務観察から整理します。

  • いつ起きるか
  • 誰が困るか
  • 現在どう対処しているか
  • 時間・費用・リスク
  • 解決を先送りする理由

「業務効率が悪い」ではなく、「現場ごとに送られる写真を事務担当が案件別フォルダへ振り分け、月末に不足を確認している」まで具体化します。

提供内容

  • 顧客が受け取るもの
  • 含む作業
  • 含まない作業
  • 顧客側に必要な作業
  • 利用条件
  • 提供地域
  • 対応時間

開発途中の機能を提供済みのように見せません。試験提供、先行受付、相談受付を区別します。

根拠

新規事業には実績がない場合があります。架空の導入事例を作らず、次の材料を使います。

  • 運営会社の関連経験
  • 担当者の専門領域
  • 試作品
  • 検証方法
  • 協力企業
  • 既存業務から得た知見
  • セキュリティ・品質体制

実績と推測、完成機能と計画を明確に分けます。

料金の出し方

検証段階の例

  • 無料ヒアリング
  • 有料診断
  • 試験導入
  • 月額プラン
  • 個別見積もり

無料にすれば需要が証明できるとは限りません。可能なら、実際に想定する価格帯、支払い意思、決裁条件を確認します。

料金を掲載できない場合も、見積もり要素、最低契約期間、初期費用、対象外費用を説明します。

CTAは一つの目的に絞る

検証目的別

  • 課題を知る:ヒアリング申込み
  • 需要を測る:先行案内登録
  • 商談を作る:個別相談
  • 価格を試す:試験導入申込み
  • 資料需要を見る:概要資料

「お問い合わせ」「資料請求」「無料相談」「デモ」を同じ強さで並べません。主CTAを一つ、補助CTAを一つにします。

問い合わせフォーム

最小項目

  • 会社名
  • 氏名
  • メール
  • 業種・役割
  • 相談内容
  • 希望連絡方法

検証に必要な属性を一つか二つ加えます。詳細な機密情報や添付資料は初回フォームで求めません。

送信後には、返信目安、次に行うこと、日程予約へのリンクを表示します。

制作前に用意する素材

  • サービスの一文説明
  • 対象顧客
  • 課題の実例
  • 提供範囲
  • 料金・条件
  • 担当者情報
  • 運営会社情報
  • 写真・試作品
  • よくある質問
  • プライバシーポリシー

文章が決まっていない状態でデザインから始めると手戻りが増えます。

制作スケジュール例

1日目:仮説整理

  • 対象
  • 課題
  • 提案
  • CTA
  • 計測

2〜3日目:原稿と構成

  • 見出し
  • 本文
  • FAQ
  • フォーム

4〜5日目:デザイン・実装

  • スマートフォン優先
  • 既存デザイン部品を利用
  • 表示速度

6日目:確認

  • 内容
  • 法務・表示
  • フォーム
  • 計測

7日目:公開・配信

  • Search Console
  • 広告・メール・SNS
  • 営業案内

日数は体制と審査で変わります。重要なのは期限より、誰がいつ承認するかです。

速くするために省かない項目

  • 運営者情報
  • 問い合わせ先
  • プライバシーポリシー
  • フォームの利用目的
  • 料金・契約条件
  • 誇大表示の確認
  • スマートフォン表示
  • フォーム送信テスト
  • GA4・キーイベント
  • バックアップ

あとで直す前提でも、公開時に顧客へ不利益が出る部分は省きません。

省ける・後回しにできる項目

  • 複雑なアニメーション
  • 多数のページ
  • 高度な会員機能
  • 自動見積もり
  • 多言語
  • 大量の記事
  • 細かな装飾
  • すべての連携自動化

検証結果が出てから追加します。

計測設計

最初に設定するイベント

  • CTAクリック
  • フォーム開始
  • フォーム完了
  • 電話・メールクリック
  • 資料ダウンロード
  • 日程予約遷移

流入元

  • 広告
  • SNS
  • メール
  • QRコード
  • 営業担当の案内
  • 検索

UTM命名を統一し、問い合わせ時に流入情報を引き継ぎます。

成功指標

アクセス数だけでなく、仮説ごとに判断します。

仮説 指標
課題が強い CTA率、ヒアリング内容
提案が伝わる 説明ページ閲覧、相談内容
価格が合う 有料相談・試験導入
対象が合う 問い合わせ企業の属性
営業に使える 商談化、説明時間、失注理由

反応が少ないときは、流入不足、対象、訴求、価格、CTAを分けて考えます。

公開後の改善サイクル

  1. 流入を作る
  2. 行動を計測
  3. 問い合わせ内容を読む
  4. 顧客へ聞く
  5. 仮説を一つ修正
  6. 再配信

複数箇所を同時に変えず、何が影響したか分かるようにします。

SEO・LLMOの最低限

  • 一意のページタイトル
  • 対象と課題を含む見出し
  • 検索可能な本文
  • 運営者・更新日
  • FAQ
  • 適切な内部リンク
  • 構造化データ
  • Search Console登録

公開直後に検索順位だけで需要を判断しません。営業、既存顧客、広告などで対象者へ届け、直接の反応も集めます。

よくある失敗

  • 対象が広すぎる
  • 新規事業名だけで内容が不明
  • 課題が想像だけ
  • 未完成機能を提供済みと表示
  • 実績を捏造
  • 無料登録だけで需要を判断
  • CTAが多い
  • フォームが長い
  • 公開して待つだけ
  • 計測がない
  • 結果を見ず全面リニューアル

公開前チェックリスト

  • 検証する仮説が一つに絞られている
  • 対象者と課題が具体的
  • 提供範囲と対象外が分かる
  • 実績・試作・計画を区別
  • 料金または決まり方を説明
  • 主CTAが一つ
  • フォームは必要最小限
  • 運営者と連絡先を掲載
  • 法務・表示・個人情報を確認
  • スマートフォンで確認
  • 送信完了までテスト
  • GA4とUTMを設定
  • 公開後の配信先を決めた
  • 次の見直し日を決めた

よくある質問

LPとホームページのどちらから作ればよいですか

一つの提案を広告・営業で検証するならLP、運営会社や複数情報を継続的に説明するなら簡易サイトが向きます。BtoBではLPにも運営者・会社情報への導線を設けます。

実績がありません

架空事例を作らず、担当者の関連経験、試作品、検証方法、提供範囲を示します。先行利用者の募集であることも明記します。

最初からSEO記事は必要ですか

重要な質問に答える数本は役立ちますが、100本を先に作る必要はありません。顧客ヒアリングや商談で繰り返された質問から追加します。

何件問い合わせがあれば成功ですか

単純な件数ではなく、対象企業か、商談へ進むか、価格への反応があるかで判断します。母数となる対象流入も確認します。

まとめ

新規事業の簡易ホームページ・LPを最短で作るには、検証したい仮説を一つに絞り、対象、課題、提案、根拠、料金、CTAを必要最小限の構成で公開します。速さのために信頼・個人情報・計測を省かず、装飾や複雑な機能を後回しにします。

株式会社サーハビーでは、札幌・北海道の新規事業向けに、仮説整理、LP・簡易サイト制作、原稿、写真・図版、フォーム、GA4・UTM、公開後の検証まで支援しています。作り切ってから売るのではなく、顧客の反応から育てるWebを設計します。

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