チラシ、名刺、展示会パネル、パンフレットにQRコードを載せても、すべて同じURLでは、どの印刷物・設置場所がホームページ閲覧や問い合わせにつながったか分かりません。QRコードごとにUTMパラメータを設計すると、オフラインの接点をGA4の流入として区別できます。
ただし、担当者ごとに自由な名前を付けると、QRとqr、flyerとleafletが別データになり、集計できません。本記事では、GA4公式仕様に沿ったUTM項目、命名表、QR生成、印刷前テスト、レポート確認まで解説します。
QRコード計測の仕組み
- UTM付きURLを作る
- URLからQRコードを生成
- 印刷物・掲示物へ配置
- 利用者が読み取る
- Webページを開く
- GA4がUTMを取得
- 流入元・媒体・キャンペーンとして集計
- 問い合わせ・予約まで確認
QRコード自体がアクセスを測るのではなく、読み取り後のURLに付いた情報をGA4が記録します。

UTMの基本項目
Google Analytics公式ヘルプでは、カスタムURLにUTMパラメータを追加すると、どのキャンペーンが流入を生んだかをトラフィック獲得レポートで確認できると案内しています。
utm_source
具体的な流入元。
flyer
business_card
exhibition
poster
direct_mail
utm_medium
媒体の大分類。
offline
print
qr
社内で一つに統一します。本記事ではofflineを推奨例にします。
utm_campaign
施策・企画のまとまり。
2026_sapporo_expo
recruit_2026
service_launch
summer_consultation
utm_content
同じ施策内の設置物・場所・版を区別します。
booth_wall
brochure_back
sales_card_a
reception_poster
utm_id
キャンペーンを一意に管理するID。費用データ等と接続する場合にも使えます。
evt_2026_04
rec_2026_01
基本URL例
https://example.com/service/
?utm_source=exhibition
&utm_medium=offline
&utm_campaign=2026_sapporo_expo
&utm_content=booth_wall
&utm_id=evt_2026_04
実際には改行せず一行で使います。
命名ルール
1. 小文字に統一
UTM値は大文字小文字を区別します。
exhibition と Exhibition は別
2. 空白を使わない
英小文字、数字、アンダースコアなど社内で決めた形式にします。
3. 日本語と英語を混在させない
一覧表の検索・再利用を考え、短い英語表記へ統一します。
4. 意味を固定
- sourceは接点
- mediumは大分類
- campaignは施策
- contentは場所・版
同じ情報を項目ごとに入れ替えません。
5. 日付形式を固定
2026_08
202608
2026_summer
いずれかに決めます。
推奨命名表
| 用途 | source | medium | campaign | content |
|---|---|---|---|---|
| 展示会壁面 | exhibition | offline | 2026_sapporo_expo | booth_wall |
| 展示会配布資料 | exhibition | offline | 2026_sapporo_expo | brochure_back |
| 営業名刺 | business_card | offline | corporate_intro | sales_card_a |
| 採用チラシ | flyer | offline | recruit_2026 | school_a |
| 店頭ポスター | poster | offline | summer_consultation | entrance |
担当者個人名をURLへ入れず、管理用の非個人コードを使います。
同じURLを使ってはいけない例
- 展示会壁面と配布資料
- チラシAとB
- 札幌会場と旭川会場
- 営業担当別の名刺
- 店舗入口と店内
- 月ごとのダイレクトメール
比較したい単位ごとにutm_contentやcampaignを変えます。
分けすぎない
読み取り数が少ないのに、1枚ごと・日ごとに細分化すると判断できません。
- 何を比較したいか
- 誰が改善するか
- 十分な件数があるか
- 管理できるか
印刷前に分析目的を決めます。
リンク先の選び方
名刺
- 会社概要
- 担当サービス
- 相談ページ
展示会
- 展示製品
- 技術資料
- デモ予約
チラシ
- 掲載サービス
- キャンペーン詳細
- 予約・問い合わせ
採用
- 職種別採用ページ
- 会社見学
- 応募
すべてトップページへ送らず、印刷物の内容と一致するページを使います。
URLを直接印刷しない
長いUTM付きURLをそのまま紙面へ表示すると読みにくく、将来変更できません。
管理用リダイレクト
https://example.com/q/expo-a
短い自社URLをQR化し、サーバー側でUTM付きページへ転送すると、印刷後もリンク先を変更しやすくなります。
注意点
- リダイレクトでUTMを保持
- HTTPS
- 転送速度
- ループしない
- 自社ドメインを使用
- 管理台帳と一致
外部短縮サービスだけに依存すると、終了・規約変更・ブランド不信のリスクがあります。
QRコード生成
- 十分なサイズ
- 高いコントラスト
- 周囲の余白
- 変形しない
- 光沢・折り目を避ける
- 背景写真に重ねない
- 印刷解像度
- 誤り訂正
デザインを優先して読み取れないQRコードにしません。
印刷前テスト
URL
- 正しいドメイン
- 404にならない
- UTMが保持される
- スマートフォン表示
- CTA・フォーム
読み取り
- iPhone・Android
- 複数のカメラ
- 想定距離
- 室内・屋外
- 明暗
- 印刷実寸
- 光沢・曲面
画面上のデータだけでなく、校正紙・実物で確認します。
GA4で確認する場所
リアルタイム
テスト読み取り後にアクセスが届くか確認します。
DebugView
GTM Previewやデバッグモードで、page_view、session_start、CTA、generate_lead等を確認します。
トラフィック獲得
Google公式ヘルプでは、カスタムキャンペーンの値を「セッションの参照元/メディア」「セッションのキャンペーン」等で確認できると案内しています。
- セッションの参照元
- セッションのメディア
- セッションのキャンペーン
- セッションの手動広告コンテンツ
探索レポート
行
- セッションの参照元/メディア
- セッションのキャンペーン
- セッションの手動広告コンテンツ
- ランディングページ
指標
- セッション
- エンゲージメント
- キーイベント
- 総ユーザー
QRコード別の流入から問い合わせまで比較します。
UTMが見えない場合
- URLにUTMがない
- QRが古いURL
- リダイレクトで削除
- 別ドメインへ移動
- GA4タグがない
- 同意状態
- 内部リンクへUTMを付けた
- 大文字小文字が分散
- レポートのディメンションが違う
ページの「パス+クエリ文字列」だけでUTMを探すのではなく、キャンペーン関連ディメンションを確認します。
内部リンクにUTMを使わない
サイト内リンクへUTMを付けると、元の流入情報が上書き・分断される原因になります。
外部の印刷物 → UTM付きURL
サイト内の移動 → 通常URL
サイト内のボタン識別はイベントや別のパラメータで行います。
個人情報を入れない
UTMはURLに表示され、解析・ログ・共有へ残ります。
- 氏名
- メール
- 電話
- 顧客名
- 個別の相談内容
- 社員番号
これらをutm_content等へ入れません。非個人の管理コードを使います。
管理台帳
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管理ID | QRの一意ID |
| 作成日 | 発行日 |
| 用途 | 展示会・名刺等 |
| 設置場所 | ブース壁面等 |
| 遷移先 | ページURL |
| UTM | source等 |
| QRファイル | 保存場所 |
| 有効期限 | 必要な場合 |
| 担当者 | 更新責任者 |
| テスト | 端末・結果 |
スプレッドシートで一元管理します。
成果評価
- 読み取り後のセッション
- サービス・事例閲覧
- 資料ダウンロード
- 電話・CTA
- フォーム開始・完了
- 有効問い合わせ
- 商談・受注
アクセス数だけでなく、印刷費、配布数、商談まで確認します。
よくある失敗
- すべて同じQRコード
- sourceとmediumが毎回逆
- 大文字小文字が混在
- UTMに個人名
- QRが小さい
- 印刷後にリンク切れ
- リダイレクトでUTM消失
- 内部リンクにもUTM
- GA4でテストしない
- 読み取り数だけを成果にする
チェックリスト
- 比較したい単位を決めた
- source・medium・campaignの命名を統一
- contentで設置物を区別
- 個人情報を含めていない
- 印刷内容とリンク先が一致
- 自社短縮URLを検討
- UTMが転送後も保持
- 実寸・複数端末で読取テスト
- GA4リアルタイム・DebugViewで確認
- generate_leadが1回だけ発火
- 管理台帳へ登録
- 商談・受注まで評価
よくある質問
utm_mediumはqrとofflineのどちらですか
どちらも社内ルールとして使えますが、媒体横断で比較するならofflineを大分類にし、sourceでflyer、poster、exhibition等を区別すると整理しやすくなります。途中で変更しません。
QRコードの読み取り回数はGA4で分かりますか
GA4で分かるのは、読み取り後にWebページが開き計測されたセッション等です。カメラで読んだがページを開かなかった回数は通常分かりません。
印刷後にリンク先を変えられますか
自社の短いリダイレクトURLをQR化しておけば、転送先を変更できます。変更履歴とUTMを管理し、既存の意味を変えすぎないようにします。
UTMは日本語でも使えますか
技術的にはエンコードされますが、表記揺れと管理を減らすため、英小文字・数字・区切り文字へ統一することを推奨します。
参考にしたGoogle公式情報
- Google Analyticsヘルプ「URL生成ツール: カスタムURLでキャンペーンデータを収集する」
- 同「GA4 キャンペーンとトラフィックソース」
- 同「トラフィックソースのディメンションについて」
- Google for Developers「Google Analytics Configuration」
仕様は変更される場合があります。運用時はGoogle公式の最新情報を確認してください。
まとめ
QRコードの流入をGA4で計測するには、source、medium、campaign、content、必要に応じてidを統一ルールで設定します。比較したい印刷物・設置場所ごとに分け、実物で読み取り、リダイレクト後のUTM、GA4の流入、問い合わせ完了まで確認します。
株式会社サーハビーでは、札幌・北海道の企業向けに、QRコードとUTMの命名表、管理台帳、印刷物別リンク、GTM・GA4、Tag Assistant確認、問い合わせ・商談評価まで支援しています。オフライン施策を配布数だけで終わらせず、Web上の行動と成果へつなげます。