QRコードの流入をGA4で計測するUTM設計

名刺、折りパンフレット、展示ボード、耐候ポスターの異なるコード片を、色別の光学経路で個別に読み分け、QR流入を統一UTMで識別する仕組みを示すマクロ計測ベンチ

チラシ、名刺、展示会パネル、パンフレットにQRコードを載せても、すべて同じURLでは、どの印刷物・設置場所がホームページ閲覧や問い合わせにつながったか分かりません。QRコードごとにUTMパラメータを設計すると、オフラインの接点をGA4の流入として区別できます。

ただし、担当者ごとに自由な名前を付けると、QRqrflyerleafletが別データになり、集計できません。本記事では、GA4公式仕様に沿ったUTM項目、命名表、QR生成、印刷前テスト、レポート確認まで解説します。

QRコード計測の仕組み

  1. UTM付きURLを作る
  2. URLからQRコードを生成
  3. 印刷物・掲示物へ配置
  4. 利用者が読み取る
  5. Webページを開く
  6. GA4がUTMを取得
  7. 流入元・媒体・キャンペーンとして集計
  8. 問い合わせ・予約まで確認

QRコード自体がアクセスを測るのではなく、読み取り後のURLに付いた情報をGA4が記録します。

名刺、折りパンフレット、展示ボード、耐候ポスターの異なるコード片を、色別の光学経路で個別に読み分け、QR流入を統一UTMで識別する仕組みを示すマクロ計測ベンチ

UTMの基本項目

Google Analytics公式ヘルプでは、カスタムURLにUTMパラメータを追加すると、どのキャンペーンが流入を生んだかをトラフィック獲得レポートで確認できると案内しています。

utm_source

具体的な流入元。

flyer
business_card
exhibition
poster
direct_mail

utm_medium

媒体の大分類。

offline
print
qr

社内で一つに統一します。本記事ではofflineを推奨例にします。

utm_campaign

施策・企画のまとまり。

2026_sapporo_expo
recruit_2026
service_launch
summer_consultation

utm_content

同じ施策内の設置物・場所・版を区別します。

booth_wall
brochure_back
sales_card_a
reception_poster

utm_id

キャンペーンを一意に管理するID。費用データ等と接続する場合にも使えます。

evt_2026_04
rec_2026_01

基本URL例

https://example.com/service/
?utm_source=exhibition
&utm_medium=offline
&utm_campaign=2026_sapporo_expo
&utm_content=booth_wall
&utm_id=evt_2026_04

実際には改行せず一行で使います。

命名ルール

1. 小文字に統一

UTM値は大文字小文字を区別します。

exhibition と Exhibition は別

2. 空白を使わない

英小文字、数字、アンダースコアなど社内で決めた形式にします。

3. 日本語と英語を混在させない

一覧表の検索・再利用を考え、短い英語表記へ統一します。

4. 意味を固定

  • sourceは接点
  • mediumは大分類
  • campaignは施策
  • contentは場所・版

同じ情報を項目ごとに入れ替えません。

5. 日付形式を固定

2026_08
202608
2026_summer

いずれかに決めます。

推奨命名表

用途 source medium campaign content
展示会壁面 exhibition offline 2026_sapporo_expo booth_wall
展示会配布資料 exhibition offline 2026_sapporo_expo brochure_back
営業名刺 business_card offline corporate_intro sales_card_a
採用チラシ flyer offline recruit_2026 school_a
店頭ポスター poster offline summer_consultation entrance

担当者個人名をURLへ入れず、管理用の非個人コードを使います。

同じURLを使ってはいけない例

  • 展示会壁面と配布資料
  • チラシAとB
  • 札幌会場と旭川会場
  • 営業担当別の名刺
  • 店舗入口と店内
  • 月ごとのダイレクトメール

比較したい単位ごとにutm_contentやcampaignを変えます。

分けすぎない

読み取り数が少ないのに、1枚ごと・日ごとに細分化すると判断できません。

  • 何を比較したいか
  • 誰が改善するか
  • 十分な件数があるか
  • 管理できるか

印刷前に分析目的を決めます。

リンク先の選び方

名刺

  • 会社概要
  • 担当サービス
  • 相談ページ

展示会

  • 展示製品
  • 技術資料
  • デモ予約

チラシ

  • 掲載サービス
  • キャンペーン詳細
  • 予約・問い合わせ

採用

  • 職種別採用ページ
  • 会社見学
  • 応募

すべてトップページへ送らず、印刷物の内容と一致するページを使います。

URLを直接印刷しない

長いUTM付きURLをそのまま紙面へ表示すると読みにくく、将来変更できません。

管理用リダイレクト

https://example.com/q/expo-a

短い自社URLをQR化し、サーバー側でUTM付きページへ転送すると、印刷後もリンク先を変更しやすくなります。

注意点

  • リダイレクトでUTMを保持
  • HTTPS
  • 転送速度
  • ループしない
  • 自社ドメインを使用
  • 管理台帳と一致

外部短縮サービスだけに依存すると、終了・規約変更・ブランド不信のリスクがあります。

QRコード生成

  • 十分なサイズ
  • 高いコントラスト
  • 周囲の余白
  • 変形しない
  • 光沢・折り目を避ける
  • 背景写真に重ねない
  • 印刷解像度
  • 誤り訂正

デザインを優先して読み取れないQRコードにしません。

印刷前テスト

URL

  • 正しいドメイン
  • 404にならない
  • UTMが保持される
  • スマートフォン表示
  • CTA・フォーム

読み取り

  • iPhone・Android
  • 複数のカメラ
  • 想定距離
  • 室内・屋外
  • 明暗
  • 印刷実寸
  • 光沢・曲面

画面上のデータだけでなく、校正紙・実物で確認します。

GA4で確認する場所

リアルタイム

テスト読み取り後にアクセスが届くか確認します。

DebugView

GTM Previewやデバッグモードで、page_view、session_start、CTA、generate_lead等を確認します。

トラフィック獲得

Google公式ヘルプでは、カスタムキャンペーンの値を「セッションの参照元/メディア」「セッションのキャンペーン」等で確認できると案内しています。

  • セッションの参照元
  • セッションのメディア
  • セッションのキャンペーン
  • セッションの手動広告コンテンツ

探索レポート

  • セッションの参照元/メディア
  • セッションのキャンペーン
  • セッションの手動広告コンテンツ
  • ランディングページ

指標

  • セッション
  • エンゲージメント
  • キーイベント
  • 総ユーザー

QRコード別の流入から問い合わせまで比較します。

UTMが見えない場合

  • URLにUTMがない
  • QRが古いURL
  • リダイレクトで削除
  • 別ドメインへ移動
  • GA4タグがない
  • 同意状態
  • 内部リンクへUTMを付けた
  • 大文字小文字が分散
  • レポートのディメンションが違う

ページの「パス+クエリ文字列」だけでUTMを探すのではなく、キャンペーン関連ディメンションを確認します。

内部リンクにUTMを使わない

サイト内リンクへUTMを付けると、元の流入情報が上書き・分断される原因になります。

外部の印刷物 → UTM付きURL
サイト内の移動 → 通常URL

サイト内のボタン識別はイベントや別のパラメータで行います。

個人情報を入れない

UTMはURLに表示され、解析・ログ・共有へ残ります。

  • 氏名
  • メール
  • 電話
  • 顧客名
  • 個別の相談内容
  • 社員番号

これらをutm_content等へ入れません。非個人の管理コードを使います。

管理台帳

項目 内容
管理ID QRの一意ID
作成日 発行日
用途 展示会・名刺等
設置場所 ブース壁面等
遷移先 ページURL
UTM source等
QRファイル 保存場所
有効期限 必要な場合
担当者 更新責任者
テスト 端末・結果

スプレッドシートで一元管理します。

成果評価

  • 読み取り後のセッション
  • サービス・事例閲覧
  • 資料ダウンロード
  • 電話・CTA
  • フォーム開始・完了
  • 有効問い合わせ
  • 商談・受注

アクセス数だけでなく、印刷費、配布数、商談まで確認します。

よくある失敗

  • すべて同じQRコード
  • sourceとmediumが毎回逆
  • 大文字小文字が混在
  • UTMに個人名
  • QRが小さい
  • 印刷後にリンク切れ
  • リダイレクトでUTM消失
  • 内部リンクにもUTM
  • GA4でテストしない
  • 読み取り数だけを成果にする

チェックリスト

  • 比較したい単位を決めた
  • source・medium・campaignの命名を統一
  • contentで設置物を区別
  • 個人情報を含めていない
  • 印刷内容とリンク先が一致
  • 自社短縮URLを検討
  • UTMが転送後も保持
  • 実寸・複数端末で読取テスト
  • GA4リアルタイム・DebugViewで確認
  • generate_leadが1回だけ発火
  • 管理台帳へ登録
  • 商談・受注まで評価

よくある質問

utm_mediumはqrとofflineのどちらですか

どちらも社内ルールとして使えますが、媒体横断で比較するならofflineを大分類にし、sourceでflyer、poster、exhibition等を区別すると整理しやすくなります。途中で変更しません。

QRコードの読み取り回数はGA4で分かりますか

GA4で分かるのは、読み取り後にWebページが開き計測されたセッション等です。カメラで読んだがページを開かなかった回数は通常分かりません。

印刷後にリンク先を変えられますか

自社の短いリダイレクトURLをQR化しておけば、転送先を変更できます。変更履歴とUTMを管理し、既存の意味を変えすぎないようにします。

UTMは日本語でも使えますか

技術的にはエンコードされますが、表記揺れと管理を減らすため、英小文字・数字・区切り文字へ統一することを推奨します。

参考にしたGoogle公式情報

  • Google Analyticsヘルプ「URL生成ツール: カスタムURLでキャンペーンデータを収集する」
  • 同「GA4 キャンペーンとトラフィックソース」
  • 同「トラフィックソースのディメンションについて」
  • Google for Developers「Google Analytics Configuration」

仕様は変更される場合があります。運用時はGoogle公式の最新情報を確認してください。

まとめ

QRコードの流入をGA4で計測するには、source、medium、campaign、content、必要に応じてidを統一ルールで設定します。比較したい印刷物・設置場所ごとに分け、実物で読み取り、リダイレクト後のUTM、GA4の流入、問い合わせ完了まで確認します。

株式会社サーハビーでは、札幌・北海道の企業向けに、QRコードとUTMの命名表、管理台帳、印刷物別リンク、GTM・GA4、Tag Assistant確認、問い合わせ・商談評価まで支援しています。オフライン施策を配布数だけで終わらせず、Web上の行動と成果へつなげます。

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