採用ページに「やりがいのある仕事です」「若手が活躍しています」「アットホームな職場です」と書いても、応募者は自分が働く姿を判断できません。必要なのは、誰と、どこで、何を、どの順番で行い、どこが難しく、どう覚える仕事なのかという具体的な情報です。
仕事内容、一日の流れ、社員の声は、別々の装飾コンテンツではありません。業務の全体像、時間の使い方、実際に働いた体験を重ねることで、応募前後の認識差を減らします。本記事では、取材から原稿、写真、公開確認までの作り方を解説します。
3つのコンテンツの役割
| コンテンツ | 答える質問 |
|---|---|
| 仕事内容 | 何を担当し、何を成果とする仕事か |
| 一日の流れ | いつ、どこで、誰と、どう動くか |
| 社員の声 | 実際に働くと何を感じ、どう成長するか |
同じ「仕事内容」を繰り返すのではなく、それぞれ別の角度から実態を示します。

先に職種を明確にする
「営業職」「技術職」だけでは幅が広すぎます。
- 法人向け新規営業
- 既存顧客のルート営業
- Web制作ディレクター
- 木造住宅の施工管理
- 訪問看護師
- 会計事務所の税務補助
同じ会社でも、職種、経験、担当顧客、勤務地により一日が違います。ページを作る対象を一つに絞ります。
仕事内容を書く前に集める情報
採用担当へ確認すること
- 募集背景
- 配属部署
- 必須条件
- 評価項目
- 雇用条件
- 採用後に期待する役割
現場責任者へ確認すること
- 主な業務
- 業務の優先順位
- 繁忙期
- 顧客や他部署との関係
- 独り立ちまでの流れ
- よくある失敗
現場社員へ確認すること
- 実際に時間を使う業務
- 入社前の想像との違い
- 難しかった仕事
- 助けになった教育
- 達成感を感じた場面
採用担当者の理想だけでなく、現場の事実を照合します。
仕事内容の基本構成
1. 仕事の目的
作業の羅列より先に、誰にどんな価値を届ける仕事かを示します。
例:
札幌市内の法人顧客を定期訪問し、業務上の課題を確認して、社内の技術担当と改善方法を提案する仕事です。
2. 担当する顧客・対象
- 法人・個人
- 業種
- 企業規模
- 地域
- 既存・新規
- 担当社数
守秘義務に配慮しながら、仕事の相手を想像できる情報を示します。
3. 主な業務
業務を3〜7項目に整理します。
- 顧客へのヒアリング
- 現地調査
- 提案書・見積書作成
- 社内担当者との調整
- 進捗・品質確認
- 納品後のフォロー
「その他付随業務」だけで広い仕事を隠しません。
4. 業務の割合
正確に示せる場合は、おおよその時間配分を説明します。
| 業務 | 目安 |
|---|---|
| 顧客対応 | 30% |
| 提案・資料作成 | 25% |
| 社内調整 | 20% |
| 進行・品質確認 | 15% |
| 記録・学習 | 10% |
時期で変わる場合は「通常期の目安」など条件を明記します。
5. 使用する道具・設備
- 業務ソフト
- 車両
- 測定機器
- 工具
- 安全装備
- 社内連絡手段
製品名を並べるだけでなく、何に使うかを説明します。
6. 関わる人
- 上司・先輩
- 同じ職種の人数
- 他部署
- 顧客担当者
- 協力会社
- 専門家
一人で完結する仕事なのか、チームで進めるのかが分かります。
7. 成果の基準
- 売上・契約
- 品質
- 納期
- 安全
- 顧客満足
- 正確性
- 業務改善
数字だけでなく、行動や品質をどう評価するかを示します。
入社後の仕事を段階で示す
入社初日〜1週間
- 就業ルール
- 安全・個人情報研修
- 事業・顧客の理解
- 道具・システムの設定
- 担当者との顔合わせ
1か月目
- 先輩への同行
- 基本作業の練習
- 記録・報告
- 小さな業務の担当
3〜6か月
- 一部業務を主担当として実施
- 定期面談
- 必要資格の学習
- 顧客対応の範囲拡大
独り立ち後
- 担当範囲
- 判断できること
- 相談が必要なこと
- 次の成長機会
期間は職種と経験で変わります。保証ではなく目安として示します。
仕事の難しさを書く
採用ページで難しさを隠すと、応募数が一時的に増えてもミスマッチにつながります。
- 覚える製品や規則が多い
- 天候や季節の影響を受ける
- 顧客ごとに判断が違う
- 締切前は業務が集中する
- 安全確認に厳密さが必要
- 複数案件を並行する
- 感情的な相談へ対応する
難しさだけで終わらず、支援方法を併記します。
最初は専門用語を覚える必要があります。入社後3か月は先輩同行と週1回の確認時間を設け、判断に迷う案件は必ず責任者が確認します。
「一日の流れ」を作る目的
一日の流れは、時間割を飾るものではありません。
- 出勤時刻
- 内勤・外勤の割合
- 移動時間
- 顧客との接点
- チームとの連携
- 休憩
- 終業前の業務
- 残業の発生場面
応募者が生活との相性を判断できるようにします。
一日の流れの取材方法
実際の一日を記録する
代表的な社員へ、30分または1時間単位で記録してもらいます。
- 開始・終了時刻
- 作業内容
- 場所
- 関わった人
- 使用した道具
- 予定外の対応
理想的な一日ではなく、通常日の実態を基準にします。
複数日を確認する
一日だけでは例外になることがあります。
- 通常日
- 会議日
- 外勤日
- 繁忙期
- 冬季
- 月末・締切前
職種に必要なパターンを選びます。
一日の流れの掲載例
8:30 出勤・予定確認
案件の進捗と連絡事項を確認し、優先順位をチーム内で共有します。
9:00 顧客訪問の準備
過去の対応記録を確認し、必要な資料と確認項目を整理します。
10:00 顧客訪問
担当者へ現在の課題を聞き、現場の状況を確認します。判断が必要な内容は持ち帰ります。
12:00 昼休憩
外出先または事務所で休憩します。
13:00 社内打ち合わせ
技術担当と対応方針、費用、日程を検討します。
15:00 提案・見積もり作成
顧客の条件に合わせて資料を作り、責任者の確認を受けます。
17:00 記録・翌日準備
対応履歴を入力し、次の連絡と訪問予定を整理します。
17:30 退勤
緊急案件や繁忙期を除く通常日の例など、条件を明記します。
時刻だけでなく判断材料を書く
各時間帯に次を加えると理解しやすくなります。
- なぜその作業をするか
- 誰と関わるか
- どの程度一人で行うか
- 何が難しいか
- どの写真が実態を示すか
「9:00 業務開始」のような情報だけでは仕事内容が伝わりません。
社員の声の役割
社員の声は会社を褒めるコメント集ではありません。
- 入社前の不安
- 選んだ理由
- 実際の仕事
- 失敗・困難
- 教育・支援
- 成長
- 今後の目標
会社説明を、実際に働く人の経験で補います。
取材する社員の選び方
- 募集中の職種
- 入社1〜3年目
- ベテラン
- 未経験入社
- 経験者入社
- UIJターン
- 管理職
- 育成担当
会社の理想像に合う人だけを選ばず、応募者が比較できる複数の経験を示します。
社員インタビューの質問例
入社前
- 前職・学んでいたことは何ですか
- どのように会社を知りましたか
- 応募前に不安だったことは何ですか
- 何を比較しましたか
- 入社を決めた理由は何ですか
仕事内容
- 現在の担当は何ですか
- 典型的な一日はどう進みますか
- 誰と協力しますか
- どんな判断を任されていますか
- 最近担当した仕事を、公開できる範囲で教えてください
難しさ
- 最初に苦労したことは何ですか
- 失敗したとき、どのように対応しましたか
- 忙しい時期はどう進めますか
- 仕事に向かないと感じるのはどんな人ですか
支援・成長
- 誰に教わりましたか
- どんな研修・確認が役立ちましたか
- できるようになったことは何ですか
- 次に身につけたいことは何ですか
応募者への助言
- 入社前に知っておくとよいことは何ですか
- どんな人と働きたいですか
- 面接で確認してほしいことは何ですか
誘導質問を避ける
避ける:当社の研修は充実していますよね
良い:入社後、どのように仕事を覚えましたか
避ける:職場の雰囲気は良いですか
良い:困ったとき、誰にどのように相談しますか
避ける:やりがいを感じますよね
良い:仕事を続けていて印象に残った出来事はありますか
望ましい答えへ誘導せず、具体的な場面を聞きます。
発言を正確に編集する
- 口癖と重複を整える
- 意味を変えない
- 複数回答を勝手に一つへ混ぜない
- 会社の宣伝文へ書き換えない
- 数字や制度を人事担当が確認する
- 本人へ最終原稿を確認してもらう
直接発言と編集者の要約を区別します。架空の社員やAI生成人物を実在社員として掲載しません。
写真の撮り方
仕事内容
- 実際の作業
- 使用する道具
- 顧客との打ち合わせ
- チーム内確認
- 成果物
一日の流れ
- 出勤後の準備
- 外勤・移動
- 作業・会議
- 記録・片付け
社員の声
- 職場での自然なポートレート
- 仕事中の表情
- 同僚との関わり
- 顔出し不可の場合は後ろ姿・手元・設備
カメラを見て並ぶ写真だけでなく、仕事の文脈が分かる写真を使います。
掲載許可と安全を確認する
- 氏名・役職
- 顔写真
- 発言
- 勤務年数
- 経歴
- 顧客情報
- 成果物
- 撮影場所
- 二次利用
- 退職時の扱い
現場撮影では保護具、立入範囲、機密資料、個人情報を確認します。撮影のために安全ルールを変えません。
ページ上での配置
職種ページ
仕事内容→一日の流れ→教育→社員の声→条件→応募の順に配置します。
採用トップ
各職種の概要と社員記事の入口を設けます。
社員インタビュー詳細
一人の経歴と経験を深掘りし、関連する職種ページへ戻します。
FAQ
複数社員へ共通する質問をまとめます。
同じ文章を全ページへ複製せず、詳しい正本へリンクします。
スマートフォンで読みやすくする
- 冒頭に職種と勤務地を表示
- 長文を短い見出しで区切る
- 時刻と説明を縦に並べる
- 写真へ適切な代替テキストを付ける
- 条件表を横スクロールさせない
- 応募ボタンを内容の区切りに配置
- 固定ボタンで本文を隠さない
応募者の多くがスマートフォンで読むことを想定して確認します。
更新が必要な場面
- 仕事内容が変わった
- 使用設備が変わった
- 勤務時間・休日が変わった
- 社員が異動・退職した
- 教育制度が変わった
- 新しい職種を募集する
- 写真と実態が合わなくなった
社員記事には取材時点を表示し、年一回以上確認します。
成果を確認する
- 職種ページ閲覧
- 一日の流れまで読まれた割合
- 社員記事への移動
- 応募ボタンクリック
- フォーム開始
- 応募完了
- 面接で減った質問
- 応募者の理解度
- 入社後の認識差
スクロール率だけで良し悪しを決めず、面接と入社後の声を確認します。
よくある失敗
- 職種名だけで仕事を説明する
- 理想的な一日だけを載せる
- 繁忙期や外勤を隠す
- 社員全員が同じ褒め言葉を使う
- 発言を宣伝文へ書き換える
- AI生成人物を社員のように見せる
- 写真撮影で安全ルールを外す
- 給与・休日が募集要項と違う
- 退職者の記事を放置する
- 応募者の質問を更新へ生かさない
公開前チェックリスト
- 対象職種が明確
- 仕事の目的と顧客が分かる
- 業務内容を具体化した
- 関わる人と使用道具が分かる
- 入社後の段階を示した
- 難しさと支援を併記した
- 一日の流れは通常日の実態に基づく
- 社員取材は誘導していない
- 発言を本人が確認した
- 写真・経歴の掲載許可を得た
- 顧客情報・機密を除いた
- 募集条件と照合した
- 更新担当と確認時期を決めた
よくある質問
一日の流れは何パターン必要ですか
職種や働き方が大きく違う場合は分けます。通常日一つから始め、外勤日、繁忙期、冬季など応募判断に重要な違いを追加します。
社員の声は何人掲載すべきですか
人数より、募集中の職種と応募者が比較したい経験をカバーすることが重要です。最初は職種ごとに一人でも、具体的な内容があれば役立ちます。
否定的な内容も載せますか
個人への批判や未解決の問題をそのまま載せる必要はありません。ただし、仕事の難しさや繁忙期を隠さず、会社の支援と合わせて正確に伝えます。
顔出しできる社員がいません
後ろ姿、作業中の手元、道具、設備、成果物で仕事を伝えられます。匿名記事にする場合も、架空の経歴や発言を作りません。
まとめ
採用ページでは、仕事内容で業務の全体像、一日の流れで時間と人の動き、社員の声で実際の体験を示します。理想像を作るのではなく、現場取材、記録、本人確認、掲載許可を通して、応募者が自分に合う仕事か判断できる情報へ整えることが重要です。
株式会社サーハビーでは、札幌の企業向けに、職種整理、現場・社員取材、一日の流れの設計、仕事写真、採用ページ制作、応募計測まで支援しています。採用担当者だけでは言葉にしにくい現場の仕事も、一緒に整理します。