お客様の声に「親切でした」「満足しています」だけを並べても、見込み客が依頼を判断する材料にはなりにくいものです。誰が、どのような課題で、なぜ依頼し、何が変わったのかが分かると、初めて自社との共通点を見つけられます。
お客様の声は、高評価を集めるための演出ではなく、実際の顧客体験を許可を得て伝える一次情報です。本記事では、信頼につながる質問、取材、編集、掲載方法を解説します。
お客様の声の役割
- サービス説明を顧客視点で補う
- 相談前の不安を具体化する
- 選定理由を示す
- 進行中の体験を伝える
- 成果と変化を示す
- 自社に向く条件を理解してもらう
- 社内稟議の材料になる
会社側の主張を繰り返すのではなく、顧客が実際に感じた内容を扱います。

1. 取材する顧客を目的から選ぶ
- 主要サービスを利用した
- 今後受けたい相談と近い
- 業種・規模・課題が代表的
- 制作・支援過程を話せる
- 成果や変化を確認できる
- 掲載に同意している
有名企業や最大成果だけに偏らず、検討者が自社を重ねやすい事例を選びます。
2. 掲載許可を先に確認する
- 会社名
- ロゴ
- 担当者名・役職
- 顔写真
- 発言
- 数字
- 画面・成果物
- 公開期間
- SNSや営業資料への二次利用
- 修正・削除の連絡方法
Web掲載に同意しても、広告やSNSへの利用は別確認が必要な場合があります。公開前に最終原稿を確認してもらいます。
3. 取材前に背景情報を整理する
- 顧客の事業
- 依頼内容
- 契約期間
- 自社の担当範囲
- 既知の課題
- 実施施策
- 計測結果
- 公開できない情報
担当者が事実を誤って質問しないよう、社内で確認します。
4. 相談前の状況を聞く
質問例です。
- 相談前にどのような課題がありましたか
- その課題は営業・採用・運用へどう影響していましたか
- 以前はどのように対応していましたか
- いつ改善が必要だと感じましたか
- 社内ではどのような意見がありましたか
課題の背景が分かると、見込み客が自社との共通点を見つけられます。
5. 情報収集と比較について聞く
- どのように依頼先を探しましたか
- 何社・どの選択肢を比較しましたか
- 比較した項目は何ですか
- 不安だった点は何ですか
- 社内承認で必要だった情報は何ですか
競合名や非公開の見積もりを無理に聞き出しません。
6. 選定理由を具体化する
- 最終的に依頼した理由は何ですか
- どの説明・提案が判断材料になりましたか
- 他社との違いをどこで感じましたか
- 担当者・体制についてどう感じましたか
「なんとなく良かった」を、事実に基づく具体的な理由へ掘り下げます。
7. 進行中の体験を聞く
- ヒアリングはどうでしたか
- 原稿・写真の準備は進めやすかったですか
- 確認・修正は分かりやすかったですか
- 困った場面と解決方法はありますか
- 社内調整をどう支援しましたか
- 予想と違った点はありますか
完成物だけでなく、仕事の進め方が伝わります。
8. 完成後の変化を聞く
- 顧客や求職者の反応は変わりましたか
- 問い合わせの内容は変わりましたか
- 営業説明はしやすくなりましたか
- 社内更新はできていますか
- 運用時間は変わりましたか
- 数字で確認できる変化はありますか
変化がない場合も、理由と今後の改善を正直に扱います。
9. 具体的な場面を聞く
「丁寧でした」という回答には、次を聞きます。
- どの場面でそう感じましたか
- どの説明が分かりやすかったですか
- どの対応が助かりましたか
- 以前の進め方と何が違いましたか
抽象的な形容詞を、確認できるエピソードへ変えます。
10. 向いている顧客を聞く
- どのような会社に勧めたいですか
- どんな課題を持つ担当者に合うと思いますか
- 依頼前に準備するとよいことは何ですか
すべての会社に勧める形ではなく、適合条件を伝えられます。
11. 今後について聞く
- 今後どのように活用したいですか
- 次に改善したい点は何ですか
- 継続支援へ期待することは何ですか
公開後の運用関係が伝わります。
良い質問の順番
- 顧客・担当者の紹介
- 相談前の課題
- 比較・選定
- 依頼の決め手
- 進行中の体験
- 完成後の変化
- 今後
- 他社への助言
最初から「満足しましたか」と誘導せず、時系列で事実を思い出してもらいます。
12. 誘導質問を避ける
悪い例:当社の丁寧な対応に満足しましたか
良い例:進行中に印象に残った対応はありましたか
悪い例:問い合わせが増えましたよね
良い例:公開後、問い合わせに変化はありましたか
否定的な内容や改善要望も聞きます。
13. 取材方法を選ぶ
インタビュー
背景を深掘りできます。録音・文字起こしの同意を取ります。
アンケート
回答しやすい一方、短く抽象的になりやすいため、追加質問を行います。
メール
顧客が文章を確認しながら答えられます。負担が大きくならない質問数にします。
対談
自然な会話を伝えられますが、編集と公開範囲を確認します。
14. 発言を正確に編集する
- 口癖や重複を読みやすく整える
- 意味を変えない
- 複数回答を勝手に一つへ混ぜない
- 会社の宣伝文へ書き換えない
- 重要な条件を削らない
- 最終確認を受ける
直接引用と編集要約を分けます。
15. 見出しでストーリーを整理する
例:
- サービスの違いを説明できないことが課題だった
- 比較で重視したのは公開後の運用
- ヒアリングで社内の言葉が整理された
- 営業資料として使えるサイトになった
意味のある要約にし、刺激的な言葉を捏造しません。
16. 顧客属性を適切に表示する
- 会社名
- 業種
- 地域
- 回答者の役割
- 利用サービス
- 実施時期
匿名の場合も、特定されない範囲で判断に必要な属性を示します。
17. 写真を適切に使う
- 実在する担当者
- 実際の職場・店舗
- 成果物
- 使用場面
- 取材風景
掲載許可を取り、AI生成人物や無関係な素材写真を顧客本人のように見せません。顔を出せない場合は、成果物・現場・手元などを選びます。
18. 数字を正確に扱う
- 期間
- 比較対象
- 母数
- 計測方法
- 顧客側の施策
- 季節要因
「売上が2倍」などの強い主張は、裏付けと掲載許可を確認します。因果関係を誇張しません。
19. 良い内容だけを切り取らない
顧客が感じた課題や改善点も、対応と合わせて掲載できる場合があります。
初期案では社内説明が難しかったが、構成を再整理して関係部署が確認しやすくなった。
完璧な物語より、実際の問題解決が信頼につながります。
20. 掲載場所を分ける
トップページ
短い引用と事例へのリンク。
サービスページ
同じサービスの声。
実績ページ
課題・工程・成果と一緒に詳しく掲載。
お客様の声一覧
業種・課題・サービスで探せる構成。
同じ短文を全ページへ大量に複製せず、詳細ページを正とします。
21. CTAへ自然につなぐ
- 同じ課題について相談する
- この事例のサービスを見る
- 費用の考え方を確認する
- 制作の流れを見る
声を読んだ人の次の疑問へ案内します。
22. 公開後も管理する
- 顧客名・担当者変更
- サービス終了
- 数字の更新
- 顧客からの修正依頼
- 掲載期限
- リンク切れ
掲載許可台帳を作り、担当者が変わっても管理できるようにします。
お客様の声ページ構成例
顧客・担当者の紹介
相談前の課題
依頼先を探した経緯
選定理由
進行中の体験
公開・導入後の変化
今後の活用
同じ課題を持つ会社への助言
関連する実績・サービス
よくある失敗
- 「満足」「親切」だけで具体性がない
- 全員の文章が同じ口調
- 会社側が全文を作り顧客名だけ借りる
- 高評価へ誘導する
- 掲載許可がない
- 顧客・時期・サービスが不明
- 数字の条件がない
- 架空の人物・口コミを掲載する
- 古い声を更新しない
- 声からサービス・実績へ進めない
よくある質問
お客様の声は何件必要ですか?
固定数ではありません。主要サービス、課題、顧客層を判断できる代表的な声から作ります。
アンケートの回答が短いです
具体的な場面、比較、変化を追加質問します。顧客へ長文作成を丸投げしません。
匿名の声でも信頼されますか?
会社名を出せない理由はあります。特定されない範囲で業種、役割、課題、サービス、時期を示し、実績内容と結び付けます。
悪い評価も掲載しますか?
すべてを公開する義務ではありませんが、改善要望を隠して理想化しすぎないことが重要です。課題と対応を確認します。
Googleの口コミを自社サイトへ転載できますか?
表示方法、権利、プラットフォームの規約、投稿者の個人情報を確認します。無断コピーせず、自社取材として許可を取る方法を優先します。
まとめ
信頼につながるお客様の声は、高評価の形容詞ではなく、相談前の課題、比較・選定理由、進行中の具体的な体験、完成後の変化、今後を時系列で伝えます。
誘導せずに質問し、発言の意味を変えず、数字の条件と自社の担当範囲を確認します。会社名、写真、発言、成果、二次利用の許可を取り、実績・サービス・問い合わせへつなげます。
株式会社サーハビーでは、札幌の企業を中心に、お客様の声・制作事例の取材、質問設計、原稿編集、ページ制作、掲載許可の整理を支援しています。回答が短く営業材料にならない場合も、顧客体験を時系列で掘り下げます。